MENU

「英語が聞き取れない」には、二種類あった

英語が聞き取れない。長いあいだ、私はこれを一つの問題だと思っていました。

でも、17年前の自分と今の自分を並べてみると、同じ言葉で呼んでいたものの中身が違います。昔の私は、音を切り出せませんでした。今の私は、音は聞こえています。それでも、途中から意味が入ってこなくなります。

この記事では、その二つを分けて書きます。私一人の経験なので、誰にでも同じことが起きるとは書きません。

目次

一つ目:音が単語として切り出せない

アメリカで生活していたころ、私は英語が聞き取れませんでした。それでも、かなり長い間そのままでした。

聞く量が足りなかったわけではありません。生活の中に英語があり、休日には5時間ほどドラマを流していた時期もあります。それでも変わりませんでした。

今振り返ると、二つのことが起きていたと思います。

字幕を出して見ていたときは、文字に頼ってしまうことがありました。目が文字を追っていると、音は後ろで鳴っているだけになります。

字幕を消したときは、ほとんど理解できませんでした。分からないまま流れていく。私の場合、分からない音を何時間繰り返しても、分からないままでした。

ドラマを見ること自体が無駄だったとは思っていません。飽きずに続けられるという利点は本物です。ただ、それは続けるための工夫であって、聞き取れるようになる方法ではありませんでした。

変わったのは、松澤喜好さんの『英語耳』を手に取ったときです。

やったことは単純で、本を読みながら、実際に声に出しただけです。一通り取り組んだころから、聞こえ方が変わりました。

最初に変わったのは、音のつながりでした。単語と単語がつながって別の音になっている部分。それまで知らない単語だと思っていたところが、知っている単語の組み合わせだと分かるようになりました。副産物として、洋楽の歌詞も以前より聞き取れる部分が増えました。

なぜそうなったのか、正確なところは分かりません。ただ、自分で出せない音は、聞いても何の音か判別できていなかったのだろうと考えています。

これが一般的にどこまで当てはまるのかは、私には分かりません。ただ、少なくとも私の場合は、聞く量を増やしても起きなかった変化が、自分の口を動かしたときに起きました。

このとき何が起きたのかは、アメリカでの経験を振り返った記事にも詳しく書いています。

二つ目:音は聞こえているのに、意味が入ってこない

ここからが、今の話です。

私は今も聞き取れません。ただし、聞き取れない中身が変わりました。

会話や会議の最初は、ついていけます。問題はその先です。集中力が切れたとき、あるいは話の筋を見失ったとき、そこから意味が入ってこなくなる。一度そうなると、音は聞こえているのに、内容がどんどん抜けていきます。

これは、音を切り出せなかった昔とは違う現象です。個々の音は聞こえている。単語も分かる。それでも、話全体を追えなくなる。

発音の練習で音の聞こえ方は変わりました。それでも今は、別のところでつまずいています。

つまり、音が聞こえることと、話についていけることは、別の力でした。

同じ言葉で、違うものを呼んでいた

整理するとこうなります。

  • 17年前の「聞き取れない」:音を単語として切り出せない。発音を自分で練習したことで、かなり変わった
  • 今の「聞き取れない」:音は聞こえる。長い会話の途中で筋を失うと、意味が入ってこなくなる

この二つは、対処が同じとは思えません。前者は自分の口を動かすことで変わりました。後者について、私はまだ何が効くのか分かっていません。

もし今「英語が聞き取れない」と感じている人がいるなら、それがどちらなのかを分けてみる価値はあると思います。音が単語として切り出せていないのか、音は聞こえているのに途中で追えなくなるのか。

17年前の記事を読み返して、ようやく別の問題だったことに気づきました。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

2000年代の半ばから10年ほど、米国で働いていた会社員です。TOEIC900。それでも会議になると言葉が出てきません。50歳を前に、英語をもう一度組み直しています。2009年に書いていたブログが残っていたので、当時の自分に訂正を入れながら記録しています。

目次